いちご状血管腫・乳児血管腫
「赤ちゃんの肌に、生まれつき赤いふくらみがあります」
「まるでいちごのような見た目で、だんだん大きくなってきていて心配です」
「病院で『いちご状血管腫』といわれたけれど、放っておいても大丈夫?」
このようなご相談を、赤ちゃんを育てている保護者の方から多くいただいています。
いちご状血管腫(乳児血管腫)は、乳児期に発症する良性の血管の増殖性腫瘍です。自然に小さくなることが多いですが、時に治療が必要な場合もあります。
晴れ空こどもクリニック保谷では、赤ちゃんの皮膚の変化を丁寧に観察し、ご家族と相談しながら経過観察または専門治療のご案内を行っています。
いちご状血管腫・乳児血管腫とは?
いちご状血管腫は、「乳児血管腫」または「血管芽腫(けっかんがしゅ)」とも呼ばれ、生後すぐ〜数週間以内に皮膚に現れる赤くて少し盛り上がった血管のかたまりです。
多くは顔や頭、首、背中、手足などに見られ、まるで「いちごのような赤色」であることから「いちご状」と表現されます。
乳児の約1〜3%に見られる比較的よくある皮膚の変化です。
特徴と経過
乳児血管腫の進行には、典型的な「増殖期」と「退縮期」があります。
● 増殖期(生後1〜6か月ごろまで)
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最初は平らな赤い斑点として出現
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次第に盛り上がってきて、いちごのような見た目に
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数週間〜数ヶ月で急激に大きくなることもある
● 安定期〜退縮期(生後6か月以降)
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徐々に色が薄くなったり、平らになってくる
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多くの場合は5〜10歳までに自然にほとんど目立たなくなる
ただし、大きさや部位によっては機能障害(視力・呼吸・哺乳など)や皮膚の変形を起こすことがあるため、注意が必要です。
どんなときに治療が必要?
多くのいちご状血管腫は自然に小さくなるため、経過観察が基本ですが、以下の場合は専門的な評価や治療が必要です。
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目・鼻・口・耳の近くにあり、機能に支障がある
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急速に大きくなりすぎている
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出血やただれ、かさぶたができている
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まぶたなどにあり、視力の発達を妨げる可能性がある
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複数個所に出現している(多発性)
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美容的に気になる部位で、ご家族が強く希望される場合
このようなケースでは、早期に治療することで後遺症や変形を防ぐことができるため、専門施設へのご紹介も含めて対応しています。
治療の選択肢
治療は年齢、病変の大きさ・場所・進行度により異なります。現在の主な選択肢は以下の通りです。内服治療・レーザー・外科的切除の適応について判断し、必要に応じて専門医療機関へご紹介させていただきます。
● 経過観察
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一般的に推奨される方針
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成長とともに自然に退縮する可能性が高い
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保護者の不安に配慮しつつ、必要時は定期的な経過診察を行います
● 内服治療(βブロッカー:プロプラノロール)
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比較的新しい治療法で、病変の縮小を早める効果
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心拍・血圧への影響を見ながら慎重に使用
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専門医療機関での管理が必要になる場合があります
● レーザー治療
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平らな赤みが長期間残っている場合に有効
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痛みや傷あとが少ないよう配慮しながら行います
● 外科的切除
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非常に稀なケースで、機能障害や変形が強い場合に検討されます
よくある誤解と注意点
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いじったから増えるわけではありません。触れても問題はありません
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市販薬や保湿剤では改善しません
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自然治癒することが多いため、焦って処置を急がないことも大切です
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赤みが消えたあとに、皮膚のしわや色素沈着が残ることもあります
ご家族が不安に思われるのは当然のことです。気になる場合は、ぜひ一度ご相談ください。
いちご状血管腫についてのよくある質問
Q1. 絶対に治療が必要な病気ですか?
ほとんどは治療なしでも自然に小さくなります。
ただし、機能や見た目に影響がある場合は、治療の選択肢を一緒に考えていきます。
Q2. 治療はいつから始めるのがいいですか?
6か月未満の乳児で急激に大きくなる場合は、早期の対応が有効なことがあります。
迷ったら、早めにご相談ください。
Q3. 完全に赤みや盛り上がりが消えるんですか?
多くは成長とともに目立たなくなりますが、皮膚に跡が残ることもあります。
成長後に目立つ場合には、レーザー治療などが検討されます。
Q4. 病院に行く目安は?
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急激に大きくなってきた
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じゅくじゅくしてきた
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出血やかさぶたがある
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目や口の近くにできていて機能が心配なとき
このようなときは早めの受診をおすすめします。
院長より
赤ちゃんの肌に出る変化は、どんなに小さなものでも心配になるのが親心だと思います。
いちご状血管腫は良性で、自然に治ることも多いですが、機能や美容面の問題を予防するには早めの評価が大切です。
晴れ空こどもクリニック保谷では、必要に応じて専門施設との連携や紹介もスムーズに行っております。
「心配だけどどうしたらいいかわからない」という場合も、ぜひご相談ください。
