はしか(麻疹)
「高熱と咳が続いていて、目が赤く、発疹も出てきた…」
そんなとき、疑われる感染症のひとつが「はしか(麻疹)」です。
麻疹は、非常に感染力の強いウイルスによる感染症で、特にワクチン未接種の乳幼児では重症化することがあります。
はしか(麻疹)とは?
麻疹は「麻疹ウイルス」によって引き起こされる急性ウイルス感染症です。
空気感染するため、マスクや換気だけでは防ぎきれないほど感染力が強く、免疫がない人が感染すると、ほぼ100%発症します。
特に以下の人は要注意です:
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麻疹ワクチン(MRワクチン)を2回接種していないお子さん
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接種歴不明、もしくは1回接種のみの成人
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乳児(ワクチン未接種の時期)
重症化しやすい乳幼児や基礎疾患のある方は、特に注意が必要です。
主な症状の経過
麻疹は、感染から発症まで10〜12日程度の潜伏期間があり、その後以下のように進行します。
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カタル期(風邪に似た症状):3〜4日
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高熱(38〜39℃)
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激しい咳、鼻水、くしゃみ
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結膜炎(目が赤い・まぶしい・涙が出る)
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コプリック斑(口の中に白い小さな斑点)
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発疹期:高熱が続いたまま、体に発疹が出てきます
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顔→体→手足へと広がる赤い発疹
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発疹が出ると一時的に熱が下がるが、再び高熱(40℃近く)になることも
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強いだるさ、食欲低下
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回復期:発疹が色素沈着を残して消える頃、熱も下がります
※合併症として、中耳炎、肺炎、けいれん、脳炎などが起こることもあり、入院が必要となることもあります。
検査と診断について
麻疹は、症状や経過、流行状況から臨床診断されることも多いですが、当院では必要に応じて以下のような検査を行います。
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咽頭ぬぐい液でのウイルス遺伝子検査(PCR)
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血液検査(麻疹ウイルス抗体価など)
発熱初期には診断がつきにくいこともあるため、疑わしい場合は隔離対応を取りながら経過を慎重に診ます。
治療と対応
麻疹に対する特効薬はありません。
そのため、治療は基本的に対症療法と合併症予防が中心です。
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解熱剤(アセトアミノフェンなど)
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水分補給、栄養管理
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必要に応じて入院治療(肺炎・けいれんなど)
感染力が非常に強いため、来院前には必ずお電話で症状をお知らせください。
当院では、感染症状のある方専用の待合室を完備しておりますので、安心してご相談いただけます。
予防接種(MRワクチン)について
最も効果的な予防は、麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)の2回接種です。
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1回目:生後12か月〜24か月未満
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2回目:小学校就学前の1年間(年長さん)
※接種率が下がると地域で流行が広がる恐れがあるため、2回の接種完了が非常に重要です。
当院では、予防接種専用の特別待合室を設けており、院内感染の心配なく安心して接種できます。
登園・登校の目安
麻疹は学校保健安全法により**「解熱後3日を経過するまで出席停止」**と定められています。
つまり、以下の条件を満たす必要があります。
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発熱がなくなってから3日以上が経過
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発疹が改善傾向
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体力や食欲が回復している
当院では、登園・登校許可証の発行(かかりつけの方は無料)も行っております。
はしか(麻疹)についてのよくある質問
Q1. はしかは大人もうつりますか?
はい、大人も麻疹にかかることがあります。
特にワクチン接種歴が1回以下、または不明な場合は注意が必要です。
大人の麻疹は重症化しやすいため、未接種の方はワクチン接種をおすすめします。
Q2. 発疹が出てから熱が上がるのは麻疹の特徴ですか?
はい、麻疹は発疹が出た後に再度高熱が出るという特徴があります。
これにより、風邪や他の発疹ウイルスと見分けがつきやすくなります。
Q3. 妹(弟)やきょうだいにうつる可能性は?
非常に高いです。
家庭内での空気感染によって、免疫のない兄弟姉妹へほぼ確実にうつるとされています。
ワクチン接種が済んでいない兄弟がいる場合は、接種の検討を早めにしてください。
Q4. 自宅での過ごし方はどうすればよいですか?
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水分補給をこまめに
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熱が高いときは涼しい環境で安静に
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食事は無理にとらず、食べられるものを
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咳が強い場合は加湿器を利用して呼吸を楽にする工夫を
ご家族への感染防止にも注意し、マスク着用や手洗いを徹底してください。
院長より
はしかは、命に関わる合併症を引き起こすこともある重要な感染症です。
ワクチンの普及により日本では減少傾向にありますが、海外からの持ち込みや局地的な流行が見られることもあり、油断はできません。
晴れ空こどもクリニック保谷では、感染予防・早期診断・合併症予防を柱に診療を行っています。
疑わしい症状がある場合は、事前連絡の上で、どうぞ安心してご来院ください。
