乳児消化管アレルギー(FPIES)
「ミルクを飲んだあと、何度も嘔吐してぐったりしてしまう…」
「離乳食を始めたら、食後に急に下痢や吐き戻しが増えた」
このような症状は、乳児消化管アレルギー(FPIES:食物たんぱく誘発胃腸炎)の可能性があります。
これは、皮膚の症状が出ない代わりに、消化器症状(嘔吐・下痢など)が強く現れる特殊な食物アレルギーの一つです。
FPIESとは?
FPIES(Food Protein-Induced Enterocolitis Syndrome)は、特定の食物を摂取後、主に消化器症状を引き起こす非IgE型アレルギー反応です。
皮膚や呼吸器にアレルギー症状が出る「IgE型アレルギー(じんましんやアナフィラキシーなど)」とは異なり、FPIESでは主に以下のような症状が現れます。
主な症状
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食後1〜4時間以内に繰り返す激しい嘔吐(IgE型アレルギーより遅発性)
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水のような下痢
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ぐったりして顔色が悪くなる
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発熱を伴うことも
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重症の場合は脱水やショック症状(低血圧など)
※多くはミルク(牛乳)や大豆、米、卵、小麦などが原因ですが、症例によって異なります。
発症しやすい時期と特徴
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多くは生後数ヶ月〜1歳ごろに発症
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離乳食の開始時期やミルク切り替え時に気づかれることが多い
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初めて与えた食品で強い症状を起こすことがある
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血液検査ではIgE抗体が陰性であることが多く、一般的なアレルギー検査では見つかりにくい
FPIESの診断と当院での対応
問診を重視した診断
FPIESは問診(食べたもの、症状の出方、回復までの時間など)からの診断が中心になります。
血液検査や皮膚テストでは診断がつかないことが多いため、保護者の方の「いつ・何を食べたか」という情報がとても大切です。
必要に応じて専門医と連携
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重症の場合は専門機関への紹介を行い、経口食物負荷試験による確定診断が必要です
原因食品の除去と代替案の提案
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必要最低限の除去にとどめ、栄養が偏らないようにします
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代替食品の提案や、保育園・幼稚園での対応書類の作成も可能です
FPIESについてのよくある質問
Q1. どうして血液検査でわからないのですか?
FPIESは**IgE抗体を介さないタイプのアレルギー反応(非IgE型)**であるため、一般的な血液検査では陰性になることが多いです。
そのため、問診と症状の経過がとても重要になります。
Q2. 症状が出た食品は一生食べられないのですか?
多くのFPIESは成長とともに耐性を獲得し、食べられるようになることが期待できます。
ただし、いつ再開するかは慎重に判断が必要ですので、医師と相談しながら進めていきましょう。
Q3. 家でできる検査や予防法はありますか?
家庭での検査はありませんが、初めての食品は少量ずつ与えることが重要です。
症状が出たときの食品・時間・症状などを記録しておくと診断の助けになります。
Q4. 下痢や嘔吐が多いのですが、FPIESでしょうか?
乳児期はウイルス性胃腸炎やミルクの飲み過ぎでも似た症状が出ることがあります。
繰り返し特定の食品で症状が起こる場合は、FPIESの可能性もありますので、一度ご相談ください。
院長より
乳児消化管アレルギー(FPIES)は、見た目が「ただの胃腸炎」と似ているため、見逃されがちな疾患です。
「毎回同じ食べ物で症状が出る気がする」「検査で異常がないけど心配」など、どんな小さなことでも大丈夫です。
晴れ空こどもクリニック保谷では、小児アレルギーに詳しい小児科専門医が丁寧に診療し、必要な場合は専門機関とも連携しながら、お子さんにとって最適な食生活と成長を支えていきます。
