口腔アレルギー症候群(OAS)
「生のリンゴを食べたあと、口の中がかゆくなった」
「果物を食べると、唇が腫れることがある」
「アレルギー検査では出なかったけど、やっぱり反応しているような気がする」
このような症状がある場合、口腔アレルギー症候群(OAS:Oral Allergy Syndrome)の可能性があります。
これは、花粉症などのアレルギー体質を持っている方に、特定の果物や野菜が引き金となって起こるアレルギー反応です。
口腔アレルギー症候群(OAS)とは?
OASは、ある種の花粉と構造が似ているたんぱく質を含む果物・野菜などを食べたときに起こるアレルギー反応です。
口の中やのどの粘膜が、アレルゲンに触れることでアレルギー反応を起こし、かゆみ・ピリピリ感・腫れなどの症状が現れます。
主な症状
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口の中やのどのかゆみ
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唇や舌、のどの違和感・腫れ
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くちびるがピリピリする
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まれに、じんましんや腹痛、呼吸症状を伴うことも
通常は症状は軽く、数十分〜1時間以内に自然におさまることが多いですが、まれに全身症状に進行することもあるため注意が必要です。
原因となる食品と花粉の関係
OASは、花粉症との関連が深いアレルギーです。以下のような関係があります。
| 花粉 | 交差反応しやすい食べ物 |
|---|---|
| シラカンバ(白樺) | リンゴ、モモ、ナシ、サクランボ、キウイ、セロリ など |
| スギ花粉 | トマト など |
| イネ科花粉 | メロン、スイカ、オレンジ、トマト など |
| ヨモギ花粉 | セロリ、ニンジン、マンゴー など |
当院での診療のポイント
1. 詳細な問診で、症状のタイミングと食材を確認
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症状が出た食材、量、タイミング、持続時間などを詳しく伺います
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花粉症の有無や季節による変化もチェックします
2. 必要に応じてアレルギー検査を実施
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ドロップスクリーンを用いた迅速検査でスギ、ヒノキ、シラカンバなどの花粉や果物の特異的IgEを調べます
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症状と検査結果を照らし合わせて診断を行います
3. 治療と生活指導
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加熱でアレルゲンが壊れるため、加熱調理すれば食べられることが多いです
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症状が強い場合は、該当する果物や野菜を控えていただきます
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万一に備えて抗ヒスタミン薬やエピペンの処方を行うこともあります
OASについてのよくある質問
Q1. OASは子どもでも起こりますか?
はい、小児でも起こります。
特に、スギ花粉やシラカンバなどの花粉症を持つお子さんに見られることがあります。
Q2. 果物を加熱すれば大丈夫ですか?
多くの場合、加熱によりアレルゲンが変性するため、症状は出にくくなります。
たとえば、生のリンゴでは症状が出るけれど、アップルパイなら大丈夫というケースがあります。
Q3. アレルギー検査で陰性でしたが症状があります。OASですか?
OASの原因となるたんぱく質は、一部の検査では検出されないことがあります。
そのため、症状の経過を重視した診断が必要です。疑われる場合は医師にご相談ください。
Q4. OASは治りますか?
成長とともに体質が変わって症状が軽くなることもありますが、完全に治るとは限りません。
症状に応じた予防と対処法を知っておくことが大切です。
院長より
「果物を食べたあとに少しかゆがるけど、これって本当にアレルギー?」と、受診すべきか迷う方も多いと思います。
OASは比較的軽症で済むことが多い一方で、重症化する可能性もあるため、油断せず慎重な対応が必要です。
当院では、花粉症や食物アレルギーの診療経験を生かし、OASの評価と生活の工夫まで丁寧にサポートしています。
「少し気になる」だけでも構いません。お気軽にご相談ください。
