肥厚性幽門狭窄症
「赤ちゃんがミルクを飲んだあとに毎回吐いてしまう」
「噴水のように勢いよく吐くのが気になる」
このような症状があるときに、注意したい病気のひとつが**肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)**です。
晴れ空こどもクリニック保谷では、月齢の小さなお子さんの胃腸症状にも丁寧に対応しています。
この疾患は早期の診断が非常に重要です。気になる症状があれば、お早めにご相談ください。
肥厚性幽門狭窄症とは?
肥厚性幽門狭窄症とは、胃の出口にある「幽門(ゆうもん)」という部分の筋肉が厚くなり、胃から腸への通り道が狭くなる病気です。
そのため、胃の内容物が腸へ送られず、ミルクや母乳を勢いよく吐き出してしまう状態になります。
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生後2週〜6週ごろに発症することが多く、特に男の子に多いです(男女比は約4:1)
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毎回のように吐くのに元気があり、体重が増えないことが特徴です
この疾患は放置すると脱水や栄養不足になるリスクがあるため、早期の診断と手術が必要になります。
肥厚性幽門狭窄症の症状について
以下のような特徴的な症状があります。
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噴水状の嘔吐(ミルクを飲んだあとすぐ、または少ししてから)
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嘔吐後も赤ちゃんは機嫌が良く、またミルクを飲みたがる
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吐く回数が増えていく(1日数回〜毎回に)
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おむつの尿が減る(脱水のサイン)
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体重が増えない、あるいは減る
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お腹の右上に**幽門のしこり(筋肉のふくらみ)**を触れることも
※風邪や胃腸炎による嘔吐とは異なり、吐いたあとにけろっとしているのが特徴です。
肥厚性幽門狭窄症の原因について
原因はまだ明確にはわかっていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています。
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筋肉の成長異常(幽門部の筋肉が通常よりも過剰に発達)
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家族歴がある(遺伝的な要素)
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第一子・男児に多い
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妊娠中・授乳中の薬剤との関連(ごく一部)
この病気は後天的に起こるものであり、生まれた時には症状がなく、数週間後に初めて気づかれることが多いです。
肥厚性幽門狭窄症の検査・診断と治療法
診断
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医師の触診でお腹のしこりを感じることも
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最も確実なのは腹部エコー検査(超音波検査)です
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幽門部の筋肉が肥厚しているかを確認できます
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必要に応じて、血液検査(脱水の程度や電解質の異常)を行うこともあります
当院では、症状と所見に応じて、連携医療機関で迅速な検査をご案内いたします。
治療法
根治には手術が必要です。
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「幽門筋切開術(Ramstedt手術)」という安全性の高い手術が行われます
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小児外科のある病院での治療が必要になります
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手術前に脱水を補正する点滴治療を行うこともあります
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手術後は数日でミルク再開、1週間以内で退院となるケースが多いです
早期に治療を受ければ、予後は非常に良好です。
肥厚性幽門狭窄症についてのよくある質問
Q1. ミルクをよく吐くのですが、すぐに病院に行ったほうがいいですか?
はい。噴水のような嘔吐を繰り返す場合は早めの受診をおすすめします。
特に生後1か月前後の赤ちゃんで、毎回のように吐いている場合は注意が必要です。
Q2. 嘔吐しても元気なので、様子を見ていて大丈夫ですか?
元気があっても、体重が増えていない場合や、尿の量が減っている場合は要注意です。
早めに診察を受けてください。
Q3. 手術が必要だと聞きましたが、危険ではありませんか?
幽門筋切開術は確立された安全な手術で、予後も非常に良好です。
数日でミルクが再開できるようになり、元の生活に戻れますのでご安心ください。
Q4. 育て方やミルクの与え方に問題があったのでしょうか?
いいえ。肥厚性幽門狭窄症は先天的・体質的な要因が強く、育て方が原因ではありません。
ご家族が自分を責める必要はまったくありません。
院長より
赤ちゃんの吐き戻しはよくあることとはいえ、回数が多い・勢いが強い・体重が増えないとなると心配になりますよね。
肥厚性幽門狭窄症は、適切に診断し、手術を受ければしっかり治る病気です。
晴れ空こどもクリニック保谷では、経験豊富な小児科専門医が赤ちゃんの嘔吐症状を丁寧に診察し、必要に応じて検査・紹介までしっかり対応いたします。
「この吐き方、いつもと違うかも」と思ったら、どうぞ遠慮なくご相談ください。
