EBウイルス感染症
「熱が何日も続いていて、のどが真っ赤」
「首のリンパが腫れていて、だるそう…」
そんな症状で病院に来られたお子さんに、EBウイルス感染症(伝染性単核球症)が疑われることがあります。
EBウイルス感染症は、初感染時に発熱やのどの痛み、リンパ節の腫れ、肝臓や脾臓の腫れなどを引き起こすウイルス感染症です。
症状が似ているため、溶連菌感染症や扁桃炎、肝炎などと区別が難しいこともあります。
晴れ空こどもクリニック保谷では、正確な診断を心がけ、合併症のリスクに配慮しながら丁寧な説明と対症療法、必要に応じて高次医療機関への紹介を行っています。
EBウイルス感染症とは?
EBウイルス(Epstein-Barr virus=EBV)は、ヘルペスウイルス科のウイルスで、多くの人が思春期までに感染しています。
初感染時には無症状で終わることもありますが、小児期や学童期、思春期に症状が出ると「伝染性単核症」として発症することがあります。
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感染経路は唾液(キスや食器の共有など)による飛沫感染や接触感染
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潜伏期間は2~6週間程度
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一度感染すると、ウイルスは体内に潜伏し続けます(再発はまれ)
主な症状
EBウイルス感染症の代表的な症状は、以下の通りです。
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発熱(38~39℃の高熱が数日から1週間程度)
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咽頭痛(のどの痛み、扁桃腺の腫れ、白苔)
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首や後頭部のリンパ節の腫れ
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全身のだるさ、食欲不振
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肝臓や脾臓の腫れ(お腹の張り、痛み)
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発疹(抗菌薬アモキシシリン服用後に出現することあり)
小さいお子さんでは軽い風邪のような症状で済むこともありますが、思春期や成人に近づくと重症化するケースもあります。
診断と検査
症状が似ている病気が多いため、正確な診断が重要です。
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血液検査(白血球の異常、肝機能異常、特異的抗体検査)
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EBウイルス抗体検査(VCA-IgM、VCA-IgG、EBNA)
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腹部エコーで肝脾腫の確認
当院では、必要に応じて迅速検査や血液検査を組み合わせて、診断を行います。
「扁桃炎が治らない」「抗菌薬を飲んでも熱が下がらない」場合にはEBウイルス感染を疑います。
治療について
EBウイルスには特効薬はなく、治療は対症療法が中心です。
体力の回復と合併症の予防を目的に、以下のような治療を行います。
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解熱剤(アセトアミノフェンなど)
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のどの痛みを和らげる処置(うがい薬、湿度管理)
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安静と十分な睡眠、水分・栄養補給
登園・登校の目安
EBウイルス感染症は学校保健安全法での出席停止疾患には含まれていませんが、以下の点を確認してから登園・登校が望ましいです。
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発熱やだるさがなく、元気がある
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食事がとれる
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体力が回復している
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医師が問題ないと判断した場合
無理をすると症状がぶり返すこともありますので、焦らずゆっくり回復を待ちましょう。
当院では、必要に応じて登園・登校許可証(かかりつけ患者さまは無料)をお出ししています。
EBウイルス感染症についてのよくある質問
Q1. EBウイルスは一度かかるともううつりませんか?
基本的には一度感染すれば免疫がつき、再感染はほとんどありません。
ただし、体内にはウイルスが潜伏しており、完全には排除されません。
Q2. 他の家族にうつりますか?
唾液を介してうつることがあるため、食器やタオルの共有は避けましょう。
特に未感染の兄弟姉妹や思春期以降の大人に注意が必要です。
Q3. アモキシシリンを飲んだら発疹が出ました。アレルギーでしょうか?
EBウイルス感染中にアモキシシリンを飲むと、アレルギーではなくウイルスとの反応で発疹が出ることがあります。
医師の判断で抗菌薬の変更などが必要になる場合もあります。
Q4. ワクチンはありますか?
現在、EBウイルスに対するワクチンはありません。
感染予防の基本は、手洗い・咳エチケット・体調管理となります。
院長より
EBウイルス感染症は、風邪のようでいて長引く熱やリンパの腫れなどを伴う病気です。
当院では「扁桃腺の腫れが強い」「抗生物質が効かない」「熱が続く」などの場合には、慎重に診断を進めています。
ご心配な症状がありましたら、お気軽に晴れ空こどもクリニック保谷にご相談ください。
